エチオピアで虹鱒釣り

この計画がどこから出て、どうやって実行されたのかは記憶にない。というか その計画にボクは関わらなかったし、ただ参加した、それも途中から だと思う。

虹鱒釣りである。ethiopiaに虹鱒がいるなんて思ってもみなかったし、 釣れるまで半信半疑だったのである。

ここまで来るのにとても時間がかかったように覚えている。時間がかかると 言っても、この国の公共交通機関を使用したら恐らく数日かかりだと思うので、 それに比べれば一日でたどり着いたということは、九州〜東京間を普通電車を 乗り継いで行くか新幹線で行くかぐらいの差はあるのだけれども…。

テントを張って焚き火をして、夕食の準備をして…ごく普通のキャンプ風景 だった。着いてすぐk所長は酒を飲み始めたに違いなかっただろうし、 何人かは「魚釣りなんてしないもんね」と、決め込んでいたようだった。

ボクはこのキャンプ地から少し離れた渓谷と呼べる川まで行って釣りを始めた。 ボクの他に何人いたのだろう…。川は濁っていた。流れもかなりあった。 濁流。餌はなんだったんだろうか?道具はどこで調達したんだろうか? 今、こうして書いているうちに次々と疑問がわいてくるのだが、その疑問 を解く鍵を探そうともしないのだけれど。

釣り糸を垂れることニ時間ほど…辺りが少し暗くなって夜の訪れを告げる……。 「もう止めよう」誰ともなく何処からともなく声がする。誰も釣ってはいなかった。 気配さえしなかった。虹鱒なんて、いや魚なんてこの川にいるはずないと当初 考えていたことが正しかったと確信し始めていた。というよりもどうでもよかった。

どうでもよかったし、腹も減っていた。みんな竿を収め始めた。キャンプ地まで 帰り始めた。その時……。