挿し芽の方法

挿し芽の目的と時期
株を増やすためや株の更新のためにさし芽を行いますが、特に株が古くなったり 購入された開花株などは根詰まりの状態にあり、根腐れによる枯死を起こしやすい 傾向にあります。毎年行う植え替えだけでは根詰まりを完全に解消することは難しい ですし、成長不適期に突然の根腐れによる株の損失を防ぐためにも挿し芽を行い、 大切な株を守っていきます。 通常の挿し芽の時期は摘葉した茎節を使いますから、新芽の出始める成長期の初期、 4月初旬以降になります。

挿し芽の方法
挿し穂(さしほ)の準備
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挿し芽に利用する挿し穂は、春に行う摘葉で出た茎節を使います。 写真のように一株でかなりの量を摘むことになりますので、これを利用します。 摘んだ直後に挿し芽してもかまいませんが、日陰の涼しい場所に一日置くことによって 根を出そうとする体質に変わり、発根しやすくなるようです。

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土に直接挿す方法

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茎節の半分を土の中に埋める感じで穴を掘って、その中に挿します。 発根時と成長期の土壌環境を変えたくないという理由から、使用する土は植え替えに 使うものを利用していますが、「挿し芽用の土」等の少し保水力のあるものの方が良い かもしれません。しかし過湿にすると発根する前に茎節自体が腐ってしまう場合もあります ので注意して下さい。直射日光の当らない場所に置いて管理します。

1の写真は6本並べて挿したものです。市販されている株はこれぐらいの密度で植えられているものが 多いです。それというのも生産者は挿し芽してからあまり時間をかけないで商品化しなければならな いだろうからと思われます。

2と3の写真は3本を少し間を空けて挿したものです。1のような密度で植えて育てると、 数年たつと根詰まり状態になってきますので、初めは少し貧弱に思えるぐらいの感じで育てて いくことをおすすめします。また3のようにペットボトルを利用した鉢を利用すると発根する 様子が分かります。

水苔を利用する方法

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水分を多く含みやすく通気性に富み、抗菌性があるために挿し芽自体が腐敗しにくいという ことと、発根後の移動や株姿を維持しやすいという理由から挿し床に水苔がよく利用されています。

方法は3本づつまとめて1組にします。まず各茎節間に隙間を作るために、間に水苔を一本入れて 重ねていきます(写真1〜3)。そしてそれをまとめるようにして、もう一度水苔で包み、 最後に輪ゴムで軽くとめます。(写真4)3本1組にしたものを3つ作り(写真5)、それを1鉢分として ビニールポットなどに入れておきます。(写真6)

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直射日光の当らない涼しい場所に置いて、乾かさないようにします。土と違って水分量が 分かりやすいというのも水苔の良いところです。また写真7のように、水苔の挿し床に そのまま挿す方法もあります。いずれの方法も発根するまでは施肥はしないで管理します。 また商品名「ルートン」などの発根促進作用のある植物ホルモン剤を使用する場合は、 水に流れないように注意しなければなりません。

発根後の鉢上げなど

約1ヶ月後に発根します。根がでるまでは肥料は施しません。成長期ですので、新芽が出てきたら 発根したと思っていいでしょう。

土に直接挿した場合は、そのまま利用したビニールポットで育てて次ぎの年の春に植え替えをします。 成長の度合いによっては秋の成長期に一回り大きい鉢に植え替えてもいいでしょう。また秋には 蕾を着けるものも出てきますが、株を大きくするために蕾は取り除いたほうがいいと思います。 ですから秋の芽摘みはしません。

水苔を利用したものについては秋の成長期に鉢上げをします。約2ヶ月間の成長期に 土で育て、冬越しをさせるというのが一般的なようです。 それは暑い夏を前に、根を痛めるような作業はしたくないということからだと考えます。しかし 発根後しばらくしてから鉢上げして、涼しい環境で育てるのもいいかと思います。

用土については 「土・肥料について」をご覧になってください。 どのように植えるかについては一本づつ挿したものも、三本まとめて水苔に包んだものも、 上記「土の直接挿す方法」の写真2のように3方向に向けて挿すといいでしょう。 株が育って大きくなったのをイメイジして植えるといいかと思います。

秋に鉢上げしたものは次ぎの年の春の植え替えはしないで、そのまま育てます。また どの季節においても、病気などで緊急をようする株の更新をしなければならない場合は 上記の方法で行い、成長期に準じた環境の元で管理するようにして下さい。

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