番匠川の夜明け

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夜明け。

夜が明けるのが早くなったと感じる。春。
佐伯市番匠川、川面に朝日が写る。
昔、この街の学校に通っていた。もう20年も昔。

人に言えない過去のひとつやふたつ、誰しも持っているんだろう。
そんな思い出を手繰り寄せてみる。
風景は相変わらず昔のままで、僕の目の前に、その裸体を曝す。
太陽が、その温もりで過去という蝋付けの封印を融かすとき、
裸の上を黒い蟻が這い回る。

本当は喉元を掻き切って「ほら、これが僕だよ」と
話したいんだが……。
(4月13日)

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