花屋食堂

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慰安。

朝まだ明けやらぬ午前六時、熊本駅前。
今日が終わるのか、あるいは始まるのか。
「小めしと味噌汁」、後で声がする。
ひとり焼酎を飲む男。
競艇の話を誰にとはなく話す老人。

このうらぶれた一膳飯屋に、
この国の豊さとは少し違う空間に、
安らぎを感じる。

「あと一杯。」
その酒の向こう側にある時間はきっと
押しつけがましい時計の秒針のように
己自身ではどうにもできない世界があるのだろうか。

しがみつきたくなる時間に僕は悶えていた。

(2001年4月6日)

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