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シャコバサボテンの栽培

シャコバサボテンの葉、茎節について

茎節について

シャコバ茎節

シャコバサボテンの葉にあたる部分を「茎節」と呼びます。ここでもこの表現を使用しています。 「葉状茎」とも言われているように葉の形をした茎です。茎節と茎節のつなぎ目のところが「節」 です。

先端の茎節から数えて1節目と呼ぶ方もおられますが、これだと説明する時に 各株によってどの辺りか分かり難いので、ここでは根が着いている茎節を第1茎節と 呼んでいます。(メールで説明するときの利便性を考えてです)

「株」はこの写真全体のことを言ったりするのですが、これも根のついた茎節1本だけ を呼ばせていただきます。シャコバサボテン一鉢というのは、元々1本の茎節にから 分枝した株が数株寄せて植えられていると考えたほうが分かりやすいのではないか と思うからです。

用土・肥料

シャコバサボテンの土

シャコバサボテンは着生植物と言って、岩や木に根を張って育つ植物です。ですから根は常に空気中にあると言っていいでしょう。そのような植物を鉢の中で栽培するのですから、用土は水はけと通気性の良いもの使用すると良いでしょう。病害虫などよりも根腐れや根詰まりにより枯れることが多いことを考慮しても、この土選びが栽培の基礎となることは疑う余地のないところだと思います。

植物の根は呼吸しています。そのためには土の中に酸素がある状態を作らなければなりません。(用土については、東京都農林総合研究センター の 「土つくり」をご覧になられるとよいかと思います。簡単な用土の作り方として、基本用土の赤玉土中粒と鹿沼土中粒を使用して、改良用用土の腐葉土を1:1:1の割合で等量配合するというのがあります。この等量配合用土を、栽培する地域の気候、そして栽培する人の性格に合わせて用土の割合を変えたり、他の用土を混合していくと方法があります。

最も簡単なのは市販の培養土を使用することです。わたしも市販のものをベースに使っています。しかし市販のものといっても数多く販売されていますので、どれがご自分に適しているのかの選択が難しいと思います。配合原料名を見ただけでは難しいので、購入後鉢に入れて水はけが悪いようでしたら、軽石中玉などを混ぜるといいと思います。市販の培養土が必ずしも最適ではないので、いろいろと試されるのがよいかと考えます。

肥料

つぎに肥料ですが、施肥は成長期の4月から行い、肥料効果が7月中旬までという方法をとります。 7月中旬までという理由は8月になると高温期になり、シャコバサボテンの成育不適期ですから、肥料が効きすぎると根腐れの原因になるからです。エードボールなどの置き肥は4月に施したら、次は6月に施して、そして夏を越させるようにします。液肥は水やり3回から4回につき液肥1回ぐらいでよいでしょう。わたしはエードボールとハイポネックス5:10:5を使用しています。

微量要素

植物の成育には上記エイドボールやハイポネックスなどの主成分である窒素、燐酸、カリウム(他にカルシウム、マグネシウム、硫黄)などのように多量に必要とする栄養素を多量要素と、マンガン、ほう素、鉄、亜鉛、銅、モリブデン、塩素、ニッケルのように少しだけ必要とする微量要素がないと成育障害を起こすことがあります。また、微量要素は少ないときだけでなく、多すぎても障害が発生します。

微量要素欠乏や過剰による生理障害は、各要素ごとに症状が違ってきますし、それが複合的なものだったりしますので、なかなか原因を特定するのは困難であるよう思います。ですから、毎年植え替えして土壌環境を刷新することは、この要素欠乏・過剰による生理障害を防止するにも効果的だと考えます。

要素欠乏や過剰による症状の研究は野菜栽培の分野ではかなり進んでいて、これを参考にすると良いかもしれません。例えば東罐マテリアル・テクノロジー株式会社さんの 「欠乏の見分け方」などはシャコバサボテン栽培にも参考になると思います。また、肥料を購入時には微量要素のことも頭の隅において購入されると良いかと思います。

1. シャコバサボテンの培養土

私が使っているアイリスオーヤマのシャコバサボテンの培養土です。

2. 珪酸塩白土

ソフト・シリカ株式会社から販売されている「ミリオン」などの珪酸塩白土を用土に少量混ぜると根腐れ予防になるようです。

3. HB-101

株式会社フローラから販売されている植物活力剤です。これはかなり効き目があるように感じます。

花を咲かせよう(花芽を育てる)

花が咲くための条件とは

前年に買ったシャコバサボテンを春夏と育ててきて、 いざ開花という時期になって蕾が着かないという話しを良く聞きます。 シャコバサボテンに限らず植物は、ある一定の条件の元に花が咲くという 本能を持っています。その条件とは、その植物が生まれた所で自然に 成育していると揃うものです。しかし どうしても育てる人間の都合というものが介入して、その条件が揃わず、 花を着けないということが起こります。

シャコバサボテンが花芽を着ける条件には3つあります。「短日」「気温」「茎節の成熟」 です。この条件が揃う時期を「花芽分化期」と言います。 「揃う時期」と書きましたが、言い換えれば「条件を揃えれば」花が咲くのです。 その3つの条件について述べます。

短日

短日とは昼の長さが夜よりも短いことを言います。シャコバサボテンは短日植物で、 短日になると花を咲かそうという成長に移っていきます。シャコバサボテンは一般的に、 12時間以上の夜に長さ(暗闇)になった時期に花芽を形成するという言われています。

【短日植物の限界暗期(花芽を作るのに必要な暗闇の時間)は、植物によって違います。 例えば同じ短日植物であるコスモスはシャコバサボテンよりも早く咲きます。 これはコスモスの限界暗期がシャコバサボテンのそれよりも短いということです。 シャコバサボテンにおいても、品種によって幾分違いはあると思います。】

自然に短日になる時期は、地域差があるとしても 9月下旬から10月上旬です。短日になったら花芽を形成するのですが、 これは季節だからという理由ではなく、暗闇が12時間あるという条件の元にですから、 12時間以上の暗闇であるという条件で連続して栽培しなければなりません。 ですからこの時期の夜間の置き場には、電灯などの生活光を避ける必要があります。

どうしても室内でしか置き場がないという場合や、屋外では霜の恐れもあるという 場合は、夕方から翌朝までダンボールなどで暗室を作って、その中に置くとよいでしょう。 このような方法を短日処置と言います。

気温

一般的には気温20度ぐらいが花芽分化の適温だと言われています。どのくらいの 気温で反応するかという資料はないのですが、栃木県戦場ヶ原の山上げ栽培の例を 見てみますと、最低気温12℃、最高気温26℃で花芽分化を行っています。 このことからやはり9月下旬頃からの気温が花芽分化に適していると考えられます。 短日期間もそうですが、低温遭遇期間も連続しなければなりません。ですから、9月中旬 から最低気温が10以下になる頃までは屋外で育てます。

茎節の成熟

新芽
先端についた新芽

どの茎節にも蕾が着き花が咲くのではなくて、発芽から40日以上過ぎた茎節に着蕾します。 ちょうど花芽分化期にあたる9月下旬から11月中旬にかけては、シャコバサボテンの成長する のに適した気候でもあります。花を咲かせる体になるとともに茎節を伸ばそうとする時期でも あります。成長不適気温になるまで、このまま成長を続けさせても良いのですが、 そうすると花がバラバラに咲いてしまいますし、成長が止まるわけですから、花芽分化もしない ものまででてきます。 ですから先端の茎節の成熟度を同じぐらいにして花を一斉に咲かせるために芽摘みを行います。 (「春の摘葉と秋の芽摘み」

写真は9月下旬に出た新芽です。これが成長して花芽を着けるまで成熟するのに 40日間、それから花芽分化するとなると12月中旬になります。ちょうど成長を 止めようとする時期になりますので、この新芽がそこまで成長できるかも定かでは ありません。ですからこの新芽を摘んで、新芽の着いている茎節に花芽を着けさせるのです。 芽摘みを行った株は成長を止めるために水やりは控えめにします。

以上花芽分化の3条件を述べました。この3条件を人為的に揃えて開花を早めたり しています。9月に出回っているシャコバサボテンがそうです。「山上げ」といって 夏に気温の低い高地に移動して育てる方法があります。野菜や果実などは 市場価値の高い時期に出荷できるように短日処理や低温遭遇をさせている ものもあります。

植替え

植え替えの目的

「どこに置いて育てるか」では温度・湿度・遮光率・日照時間などのおもに外側の環境に ついて述べてきました。この項では、土の中で外からは見えない根の環境についてどうするか を述べます。

我々人間の場合もそうなんですが、成長と環境というのものは密接に影響しあっています。 元来、着生植物であるシャコバサボテンの根は、木や岩の上に根を張り 四方八方自由自在に成長できたのですが、日本の風土環境での栽培を容易にするために 狭い鉢の中に押し込められ土に覆われてしまったのです。シャコバサボテンの 栽培で一番注意しなければならないことは「根腐れ」だということは、この根の成育環境 の大変化を考えれば当然のようにも思われます。

その土ですが、水や肥料、薬剤などで一年もすれば本来求められる効果を失っています。 あるいは土というよりも泥といっていいようなものもあります。これが根に良いわけがありません。

また、狭い鉢の中に押し込められた根は行き場をなくして、絡み合って鉢いっぱいになっていて 根腐れしてもしかたない状態になってしまっています。このような悪い環境を改善するために 植え替えを毎年行います。他の鉢植え植物では「根が張りすぎてしまった場合に植え替える」 などと言われますが、シャコバサボテンでは毎年行うことによって、根を本来の成育環境に 近づけて根腐れを予防します。

植え替えの時期

シャコバサボテンが冬の休眠期から醒め、成長しはじめてから少し過ぎたあたりが 一番良いようです。成長をはじめたばかりの頃ですと、出鼻をくじかれるのかその後の 成長に障害がでる場合もあります。夜間の気温が15℃になる4月中旬から下旬が 最適だと言われています。

植え替えの方法

シャコバサボテン5_2.JPG

用土は乾いた状態で行います。(植える時は用土を湿らせます。) まず根鉢を出来るだけ崩さないように鉢から抜き出します。

鉢底の水抜きの穴を押すとそのまま抜ける場合がありますが、 根が張りすぎて抜けにくい場合は鉢に沿って割り箸などをいれて、鉢と土の間をあけます。 プラスチック製の鉢でしたら、鉢を押すようにして、根鉢を柔らかくしてから抜きます。

しゃこばさぼてん5_3.JPG

根鉢の土を、半分ほど落とします。このとき根を痛めないように注意します。割り箸やゴルフのティー などで少しずつ落としていきます。 からまっている根は解くようにします。あまり時間をかけすぎますと 根が乾いてしまいますので注意します。

長い根は切り詰めます。ハサミは念のために消毒したほうが良いでしょう。 腐ってヌルヌルした根がないか、臭くないかなどを確認しながら作業します。 もしあったらその部分は根元から切り取るか、その根のついている株は捨てます。 ダメージが大きいようでしたら、挿し芽をして株の更新を行います。

シャコバサボテン5_5.JPG

鉢に、ごろ石を敷いて根鉢を入れます。その隙間に新しい用土を詰めていきます。 (用土については「用土・肥料」ご参照ください) 他の鉢植え植物では植え替えの度に一回り大きい鉢を使っていきますが、 シャコバサボテンの場合は株自体がそれほど大きくならないので、鉢と株の バランスを考えて同じものに植え替えたりします。

用土は湿らせたものを使います。市販の「シャコバサボテンの土」を未開封で使う場合は 湿っているので良いのですが、そうでない場合は乾いてしまっている場合がありますので、 根を痛めないためにも必ず湿った状態にして使います。

用土を入れたら割り箸で隙間のないように詰めます。この時も根を傷つけないよう注意し、 あまりギュウギュウに詰め過ぎないようにします。

シャコバサボテン5_6.JPG

以上植え替えが終わったら水をやり、あまり暑くならないところで管理します。この時期 直射日光下ですと思わぬ高温になったりしますので注意します。また夜間は低温に なったりしますので、夜間は室内に取り込むか、最低気温が12℃~15℃以上に落ちついてくるまで 室内で育てるようにします。

根を切り詰めて株が弱っていますから肥料や薬剤は2週間は施しません。

どこに置いて育てるか

~室内から屋外へ~

3月

下旬には冬の休眠期からそろそろ目覚める時期ですが、まだ寒い日もあり東日本では降雪もあります。3月いっぱいは室内の明るい場所に置いて管理します。霜が降りなくなったら屋外でも良いのですが、室内との気温差が大きいと成長が遅れる場合があります。

4月

最低気温が約12℃以上になる中旬から屋外へ移動させます。屋外での置き場所は半日陰です。日光をまんべんなく株に当て均等に育てるため、鉢が一週間で一周する感じで回転させます。

5月

4月と同じ場所と方法で管理します。屋外で育てる場所がない場合は室内でもかまいませんが、室温に注意して下さい。室内ですと日光不足あるいは過多のどちらかに偏りやすいので、これも注意してください。それでも成長して行く季節ではありますが。

~涼しい場所で~

6月

これから夏の間には真昼の直射日光が当るような所には置いてはいけません。気温の上昇に伴い出きる限り涼しい場所に置きます。下旬から雨の日が多くなりますが、雨も避けて置きます。過湿による根腐れを防ぐためです。

7月

涼しい場所です。場合によっては室内のクーラーの効いた部屋に置き管理します。私の場合も室内で管理しています。この場合クーラーの冷気が直接当らないような場所に置きます。

8月

7月と同じ場所で管理します。シャコバサボテンの栽培では、春秋は遮光率30パーセント、夏は50パーセントと言われています。

~室内への搬入~

9月

9月は暦のうえでは秋とはいえ日中の気温が30度近くなる日もあります。落蕾の危険温度は25度ですから、この時期に購入した着蕾株は出来る限り涼しい場所に置きます。蕾が大きくなり、開花し始めたら場所を移動しても良いでしょう。この場合も基本は涼しい所です。そのほうが花持ちが良いからです。落蕾の危険気温は25度です。蕾が小さいほどその危険性が高くなります。 下旬頃からは花芽分化期です。夏の暑い時期に室内で管理していた株は、花を咲かせるために屋外で管理します。
(この花芽分化については「花を咲かせよう」で詳しく述べます。)

10月

花芽分化期そして着蕾期です。シャコバサボテンは短日植物ですから、日照時間が12時間以下になってから花芽を付けます。この時期、日照時間は12時間以下になるのですが、問題は外灯などの光です。この人工光にも反応しますので、日没後に電灯の当らない場所に置きます。下旬から気温も低下していきますので、低温すぎると着いた蕾が育たないことがありますので、その場合は室内へ搬入して育てます。

11月

着蕾期、開花期になります。10月下旬から11月にかけて室内へ搬入します。時期は「霜が降りる少し前」(ライチさん)「夜間の最低気温が10℃~13℃になったら」(NHK趣味の園芸)です。室内での置き場所ですが、窓際などに置くと、日中思わぬ高温になって落蕾の危険がありますので、温度差の少ない場所に置きます。また暖房器具の側に置くのもよくありません。開花株、着蕾株ともに高温になる場所は避けて置いてください。

~室内へ~

12月

着蕾期、開花期そして休眠期になります。これから春の成長期までは明るい室内に置き管理します。これからの時期は寒さと暖房による熱と乾燥に注意してください。 まだ開花してない蕾の状態の株は「シャコバサボテンを買おう」でも説明しましたが、蕾の成長を促すためにもある程度の温度は必要となりますので、低温での管理は避けて、暖かい場所で管理し開花させます。

1月

開花期、休眠期ですので部屋の片隅でもかまわないでしょう。「夜間の最低温度が5度を保てるところ」(NHK趣味の園芸)です。窓際ですとかなり温度が低下しますから注意してください。

2月

1月と同じ場所に置いて管理します。

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